2017年10月3日

ハイイールド債券の人気継続!欧州型が30カ月ぶり資金流入と米国一極集中から分散の動きも・・・。

— 8月のハイイールド債券ファンドの残高は3カ月ぶりに減少も、8カ月連続の資金流入を記録。
— 設定額を投資対象別にみると、米国型が8カ月連続の資金流入、欧州型は30カ月ぶり資金流入に転じる。
— 個別ファンドでも米国型、欧州型に幅広く資金流入が見られ、米国一極集中から分散の動きも。

前回のドイチェ・リポートHIGHLIGHTS Vol.20(2017年9月13日号)「欧州関連ファンドが2年3カ月ぶりの資金流入で、残高は再拡大の兆し」では、「欧州(ユーロ)関連ファンドの7月の純設定額が+103億円と、2年3カ月ぶりの資金流入に転じ」ており、「欧州債券は-5億円と29カ月連続の資金流出ではあるものの、この間で最も資金流出額は小さくなっている」と指摘しました。欧州(ユーロ)関連ファンドの中心はハイイールド債券への投資となっていることを踏まえ、今回のコラムでは、ハイイールド債券ファンドにおける米国型の一極集中から地域分散の動きが強まっているかどうかなど、8月の最新動向を確認したいと思います。以下、ハイイールド債券ファンドについて、投資地域別の残高推移から見てみましょう。

追加型ハイイールド債券ファンドのタイプ別純資産残高推移(2008年1月~2017年8月)

8月末時点のハイイールド債券ファンド全体の純資産残高は前月比-0.5%の3兆7,418億円と、大きな相場要因はなかったものの、分配金の払い出しなどが響き、3カ月ぶりの減少に転じました。 投資対象のタイプ別に純資産残高をみると、米国型が前月比-0.5%の2兆4,586億円と11カ月ぶりの減少に転じました。また、欧州型は前月比-0.05%の5,612億円と、7月の5,614億円からほぼ横ばいながら、3カ月ぶりの減少に転じています。

また、2010-11年にかけて残高の大きかったグローバル型は、前月比-1.4%の4,502億円と8カ月連続の減少で、継続的な残高縮小に見舞われています。ハイイールド債券ファンドへの投資がサテライト的な位置付けとの認識が広がる中で、米国や欧州など、より地域を絞って投資を行うスタンスが強まっていると言えそうです。

なお、新興国型は前月比+0.7%の1,112億円と小幅ながら2カ月連続の増加、アジア・オセアニア型は前月比-0.2%の1,607億円と3カ月ぶりの減少に転じていますが、いずれも残高の小さいカテゴリーであり、大きな増減のない状況が継続しています。続いて、ハイイールド債券ファンドの資金動向も確認してみましょう。

追加型ハイイールド債券ファンドのタイプ別純設定額推移(2008年1月~ 2017年8月)

ハイイールド債券ファンド全体の8月の純設定額は+314億円と8カ月連続の資金流入を記録し、7月の+102億円から資金流入額は加速しました。タイプ別に見ると、米国型が+266億円と8カ月連続の資金流入を記録するとともに、7月の+142億円から加速しました。ただし、資金流入を記録した8カ月間で見ると2番目に低水準であり、米国型は今年前半ほどの資金流入が見られない状況となっています。

一方で、冒頭でも欧州型の資金フローが改善傾向にあることを指摘しましたが、欧州型は8月に+56億円と30カ月ぶりの資金流入に転じました。前回資金流入を記録した2015年2月までは24カ月連続の資金流入となるなど、欧州型の資金フローはトレンドが出やすいことから、当面は資金流入が継続することが予想されます。

また、アジア・オセアニア型は+5億円と小幅ながら4カ月連続の資金流入、新興国型は+19億円と2カ月連続の資金流入となりました。金額自体は大きくないものの、新興国投資が回復する中で、ハイイールド債券ファンドにおいても、新興国を見直す動きが出てきたといえそうです。一方で、グローバル型は-32億円と解約の動きが続いており、10カ月連続の資金流出と長期的な低迷から抜け出せないでいます。

個別ファンドの動きを見ても、米国型と欧州型で資金流入が目立っています。8月の純設定額上位30ファンドでみると、17本が米国型、8本が欧州型となっています。また、月間の資金流入額が10億円を超えるファンドは13本と、7月の9本から増加するなど、より幅広いハイイールド債券ファンドに資金流入が見られるようになってきています。景気循環や金融引き締め(利上げ)開始時期のずれなどから、2013-14年において米国型から欧州型への資金シフトが見られましたが、足元でも米国型の一極集中から欧州資産などに投資対象を分散する動きが出てきたと言えそうです。

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