2017年9月13日

ドイチェ・リポートHighlights_Vol.20-欧州関連ファンドが2年3カ月ぶりの資金流入で、残高は再拡大の兆し・・・。

— 欧州(ユーロ)関連ファンドの7月の純設定額が+103億円と、2年3カ月ぶりの資金流入に転じる。— 欧州(ユーロ)関連ファンドの残高がピークの2.5兆円から1兆円を割り込むも、2カ月連続で増加。— 米国や豪州といった人気国(通貨)への偏りを是正する意味でも、残高再拡大の可能性は高い。

格付投資情報センター「ファンド情報(2017年8月28日号)」に、「欧州関連投信に資金、2年3カ月ぶり流入超過」という見出しの記事がありました。当研究所のデータを引用し、「欧州関連の投信は7月に103億円の流入超過になった。欧州関連投信が流入超過になるのは2015年4月以来、2年3カ月ぶり」となったことを取り上げています。以下、欧州資産もしくはユーロを主な投資対象としたファンドを欧州(ユーロ)関連ファンドとして、その動向を確認します。

まず、運用コンサルティングを手掛けるイボットソン・アソシエイツのデータベースにおいて、投資地域という項目が「ヨーロッパ」、「ユーロ圏」もしくは大陸欧州の単一の先進国となっているファンドを抽出し、イボットソン分類を基に「欧州株式」、「欧州REIT」、「欧州債券」、「その他」に区分しました。「その他」にはバランス型などが含まれています。さらに、投資地域が「ヨーロッパ」でないもののうち、通貨選択型ファンドのユーロコースも欧州関連資産として集計しています。

欧州(ユーロ)関連ファンドの純設定額推移(2009年1月~2017年7月)

上のグラフを見ると、冒頭の記事で指摘されているように、欧州(ユーロ)関連ファンドの純設定額は7月に+103億円と、2015年4月以来の資金流入に転じています。内訳を見ると、7月は欧州株式が+117億円と2015年8月以来のプラスで、欧州(ユーロ)関連ファンドの資金流入を牽引しました。2013年~2014年にかけて欧州(ユーロ)関連ファンドへの資金流入は欧州債券が中心でしたが、7月は欧州株式のみが資金流入となっているのが特徴的といえるでしょう。

一方、欧州債券は-5億円と29カ月連続の資金流出ではあるものの、この間で最も資金流出額は小さくなっています。欧州債券はハイイールド債券ファンドの人気を背景に、2015年2月までは24カ月連続の資金流入が続いていたものの、その後は解約の動きが続いていました。そういった意味では、欧州債券においても、足元で欧州経済の見通しが好転しつつあることなどから、資金フローが改善してきたと言えそうです。 続いて、欧州(ユーロ)関連ファンドの残高推移を確認します。

欧州(ユーロ)関連ファンドの純資産残高推移(2009年1月~2017年7月)

7月末時点における欧州(ユーロ)関連ファンドの残高は合計で9,598億円と、2カ月連続で増加しているものの、1兆円に届かない状況となっています。2014年11月末のピークでは2兆4,957億円まで達したものの、その後の継続的な資金流出などを背景に今年5月には9,393億円と2013年10月以来の低水準となりました。7月に資金流入に転じて以降、8月も欧州(ユーロ)関連ファンドの販売は広がっており、残高の減少トレンドは転換した可能性が高いと考えられます。

なお、内訳をみると、欧州債券型が6,821億円と全体の71.1%を占め、欧州株式型の24.0%(2,305億円)と合わせて95.1%を占める計算となります。さらに、欧州債券型のうち、欧州ハイイールド債券ファンドの残高は5,614億円であり、依然として欧州(ユーロ)関連ファンドの中心はハイイールド債券への投資となっていることが確認できます。

欧州(ユーロ)関連ファンドの7月の資金流入額ランキングでは、1位と3位は同シリーズの欧州中小型株ファンドとなっているものの、同シリーズを除けば欧州株式ファンドで目立った資金流入は見られない状況です。また、欧州ハイイールド債券ファンドとしては2位に通貨選択型のトルコリラコースがランクインしていますが、通貨選択型ではないハイイールド債券ファンドも目立っています。ただし、7月の資金流入額が10億円を超えるファンドは6本しかなく、欧州資産への投資回復はまだまだ始まったばかりです。国内投信市場における米ドルや豪ドルといった人気通貨への偏りを是正する意味でも、欧州(ユーロ)関連ファンドの市場拡大余地は大きいと言えそうです。

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