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2017年12月26日

投資家の皆さまへ

市場の加熱には注意が必要


イベントの多かった一年が過ぎ去ろうとしています。2017年は、多くの政治的サプライズがありました。フランスではマクロン大統領、オーストリアではクルツ首相という、いずれも非常に若い指導者が誕生しました。ドイツでは9月の総選挙後に連立交渉が決裂し、未だ新政権が樹立されていません。中国では、国の将来に関して、国民が以前より声を上げにくい状況となりました。一方、スペインのカタルーニャ州では独立の是非を問う住民投票で多くの人が賛成票を投じ、米国ではモラー特別検察官が昨年の大統領選へのロシア介入疑惑を捜査しています。さらに米国と北朝鮮は、それぞれ指導者の立場にある2人が互いを愚弄し合い、軍事的挑発を繰り返しています。

こうした政治面での動きをものともせず、市場は引き続き平穏に推移しています。投資家が平静を保っていられる理由として、金融緩和策が不安を和らげる効果をもたらしていることが挙げられますが、今回の場合はそれだけでなく、世界的に景気指標が堅調に推移していることも投資家心理を支えています。企業景況感指数と消費者信頼感指数は久しく目にすることのなかった高い水準に達し、市場は堅調なパフォーマンスでこれに応えています。年末を前に、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスのトータル・リターンは年初来ベースで約20%に達しました。巨大IT企業の中には、2017年に時価総額を倍増させた企業もあります。半導体業界では、1,000億米ドル規模の買収案件がまさに進行中です。仮想通貨ビットコインの時価総額は10倍に膨らみ、絵画オークションではレオナルド・ダ・ビンチの油絵に4億5,000万米ドルの値がつきました。このような状況は、しばしば市場が過熱している兆候と受け止められ、相場の転換点が近いとの指摘がなされることもあります。しかしながら、このように「転換点」とされる局面がここ数年間に何度もあったにも関わらず、今回の長期に及ぶ景気サイクルが終焉することはなく、その度に悲観論者が間違っていたことが明らかとなりました。

2018年に向け、当社では世界の景気見通しについて極めて楽観的です。とは言うものの、「2018年の市場は2017年と同様に力強い推移を示す」と予想しているのかと言えば、そうではありません。第一に、2018年末に向けて見通しを立てるには、2019年にも目を向ける必要があります。この先、一部の中央銀行で幹部の交代が予定されていることもあり、その時点の成長、インフレ環境がどうであれ、各国中央銀行の政策内容がますます見通しにくくなる可能性があります。第二のポイントとして、「市場は、期待の変化に応じて変動する」という点を指摘することができます。現在のところ、企業、消費者、投資家の先行きに対する期待は極めて大きくなっていますが、これ以上に期待が膨らむ可能性は低いと言えるでしょう。加えて多くの投資家のポートフォリオは、すでにリスク資産に偏った同じような配分となっています。従って一時的な相場下落のリスクは、2017年よりも2018年の方が大きいと予想されます。しかし当社では、景気、市場見通しを踏まえたうえで、下落局面をエントリー・ポイントとして活用する方針です。

 

Stefan Kreuzkamp Signed

 

ステファン・クロイツカンプ チーフ・インベストメント・オフィサー
ステファン・クロイツカンプ
チーフ・インベストメント・オフィサー


2018年の世界の景気見通しについて当社は楽観的ですが、市場は期待によって変動することに留意しなければなりません。投資家の期待はすでに十二分に大きくなっています

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