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2017年11月8日

投資家の皆さまへ

サイクル終盤で、
景気はもう一段の上昇へ


一方は1.5%から2.1%に引き上げ、他方は2.1%から1.6%に引き下げ。これは一体、何の数字だと思われますか?これは当社が予想するユーロ圏と英国の2017年の経済成長率です。どちらも最初の数字は、2016年3月時点、つまり英国の欧州連合(EU)離脱と米トランプ大統領の勝利が決まる前の予想、2つめは現時点での予想です。私がこのことをお話しする理由は、政治とビジネスの相互作用、そして経済成長の加速という、当社が現時点で注目している2つの重要な問題の提起につながるからです。まずはユーロ圏について見てみましょう。ユーロ圏経済は予想をはるかに上回るペースで成長しています。ドイツの連邦議会選挙でポピュリスト政党が躍進し、スペインではカタルーニャ自治州の独立を巡る緊張が高まっているにもかかわらず、EU域内の政治情勢は、2017年年初に多くの投資家が懸念したほど不安定な状況にはありません。企業は楽観姿勢を強め、消費者信頼感指数は2001年以降で最も高い水準に達しています。一方、英国ではまったく状況が異なり、2015年半ば以降、経済に対する消費者の不信感は強まる一方です。経済成長率に関しても、英国は主要7カ国の最下位に転落してしまいました。こうした展開が示唆するのは、「実際のところ、政治は、ビジネスと株式市場に影響を及ぼす」という事実です。現に、EU離脱を巡る国民投票が実施されて以降、主に英国企業から構成されるFTSE 250種指数は、ユーロ圏企業から構成されるユーロ・ストックス指数に大きく遅れを取っています(為替調整後ベース)。

それでは米国はどうでしょうか。当社では、米国の2017年成長率予想を2.0%から小幅に引き上げて2.2%としました。ただしこの変更は、政治とほとんど関係がありません。トランプ大統領の政策を巡っては、高揚感と失望感が互いに打ち消し合っている状況と見られるからです。一つだけ、小さくとも有益な例外があるとすれば、それは規制緩和策でしょうか。そのほか、トランプ政権が減税策を実現できるかどうかは、今のところ定かではありません。当社では、米国企業が一定程度は減税策の恩恵を受けられるとの見方を維持していますが、減税の規模については、すでに予想を大幅に引き下げています。これに伴い、インフレ率、金利、為替レートについての予想も変更しました。これらの指標の推移は、減税の規模に大きく左右されるためです。

政治面での不透明感は非常に強いものの、世界景気は驚くほどに良好な推移を見せており、その点は指摘すべきでしょう。当社では最近、2017年の世界の成長率予想を従来の3.5%から3.7%に上方修正しました。景気サイクルはすでに終盤に差し掛かっているにもかかわらず、ここに来てもう一段の上昇の兆候が見られます。これは、各国中央銀行の慎重な姿勢や、引き続き低水準での推移が予想されるインフレ指標とも合わせて、今後一年間にわたって市場を支える追加的な要因となる可能性があります。

 

Stefan Kreuzkamp Signed

 

ステファン・クロイツカンプ チーフ・インベストメント・オフィサー
ステファン・クロイツカンプ
チーフ・インベストメント・オフィサー


2017年、世界景気は予想以上に良好な推移を示しています。しかしながら米国を中心に、政治の動きについては強弱両方の材料が混在している模様です

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